スポーツ医学・健康管理陰部・股間打撃の保護

女子が陰部(おまた)をぶつけたときの腫れの症状と症例【外陰部打撲、外陰部血腫】

女性が股間を強打したとしても、外陰部(おまた)にペニスも睾丸もないので症状を軽視しがちです。そのため、女子の方がぶつけた時の外傷を放置することが多いです。股間を打ったことの恥ずかしさもあって、腫れや出血が悪化してから診察を受ける傾向にあります。アザや後遺症を残すこともありえますので早めの受診をおすすめします。

陰部をぶつけた時の症状と応急処置

陰部のケガの種類

女性の陰部のケガには出産時の外傷のほかに、事故による外傷があります(これを非産科的外傷といいます)。事故によるケガの場合、鋭い刃物や棒が刺さる傷と、硬い物体や圧力でぶつかった時の衝撃による腫れや出血があります(これを鈍的外傷といいます、Figure 1)。

Figure 1 : 女子の外陰部の外傷の大まかな分類。鋭的外傷は鋭い物体で切られた傷であり、ぶつけてマンコの皮膚が切れた場合は鈍的外傷に含まれる。

女子スポーツにおける外陰部外傷のほとんどは鈍的外傷です。痛みや炎症がありますが、皮膚の症状としては弱いものから順に、打撲、血腫、裂傷などがあります。

  • 外陰部打撲(だぼく、Bruise):内出血、あざ(皮下出血)、腫れ、変色
  • 外陰部血腫(けっしゅ、Hematoma):内出血の塊、腫れがひどくなったもの
  • 外陰部裂傷(れっしょう、Laceration):皮膚が引き裂かれてできる損傷

このほかに、珍しい症例として、9歳の女児が受診の6か月前にブランコで股間をぶつけ、6か月かけて徐々に腫瘍が拡大した例も報告されています(クリトリス類表⽪嚢胞、Figure 2)。

Figure 2 : 論文掲載の画像。(A)クリトリス上部に2cm x 3cmの柔らかく丸い膨張が認められる。(B)切開除去手術を実施、クリトリス神経血管束は温存されたので性的快感は問題ないと思われる。術後6か月の経過観察で再発はなく良好な結果であった。
参考リンク

Clitoral epidermoid cyst secondary to blunt trauma in a 9-year-old child(9歳児の鈍的外傷による陰核類表⽪嚢胞)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21534352/
Neslihan Celik 1, Sule Yalçin, Safak Güçer, Ibrahim Karnak
The Turkish Journal of Pediatrics 2011 Jan-Feb;53(1):108-110.

外陰部打撲

外陰部打撲(だぼく、Bruise)とは、外陰部(陰唇・会陰・恥骨周囲など)を強打したことにより、痛みや腫れ、内出血などが生じる状態です。自転車転倒事故、鉄棒、スノーボードなどのほか、自転車のサドルや遊具などによる事故が小児や思春期の女子に多く見られます。

  • 足を滑らせて脚が開いた状態で座るように転ぶ(椅子・地面)
  • サドルに強打、ブランコや鉄棒からの落下
  • スポーツ外傷(体操・ダンス・格闘技など)

外陰部が固い物体にぶつかると、片側または反対側の外陰部の毛細血管が骨(恥骨)との間で圧迫され、毛細血管・静脈の破裂や一時的な血流遮断が起こることがあります。特に、陰核(クリトリス、Clitorisの神経に直撃すると、「股間が焼けるような強烈な痛み」があります。

ケガの可能性を疑うこと

女性器は柔らかい組織でできているため「ぶつけた」だけでは済まないことがあります。男性のように、前側に睾丸(金玉、Golden Balls)やペニス(Penis或いはTinko)のような障害物が無いため、衝突のエネルギーがダイレクトに内部の骨や臓器にも伝わります。

会陰部の組織はコレス筋膜(Colles fascia)により覆われていますが、コレス筋膜は強固な結合組織ではありません。そのため、強くぶつけたつもりがないのに、腫れ、内出血、裂傷が生じることがあります。会陰部の皮下出血は大量出血につながることがあります。

外陰部の損傷は外見で容易に診断できることが多いですが、膣、尿道、肛門の損傷を見逃した症例の報告があるため、両脚をしっかり開いて内部の損傷の有無をしっかり確認したほうが良いです(Figure 3)。⁠衝突によって体内に異物が入った場合は体表面に損傷がなくても、膣、尿道、直腸などの損傷が予想されるため注意が必要です。

Figure 3 : 論文掲載の画像(Author: Jean Price)。大人の女性はM字開脚で良いが、女児は原則として(a)カエル足位(frog-leg position)が良いとされる。(b)幼い女児の場合は親の膝の上に座らせる開脚体位 (c)肛門を見る場合や異物挿入の場合は膝胸位(knee-chest position)が望ましい。
参考リンク

Injuries in prepubertal and pubertal girls(思春期前および思春期の少女の傷害)
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1521693412001289
Author: Jean Price
Best Practice & Research Clinical Obstetrics & Gynaecology Volume 27, Issue 1, February 2013, Pages 131-139.

応急処置

打撲の応急処置の基本は「RICE処置」であり、早期にRICE処置を行うことで、内出血や腫れ、痛みを抑えることができます。とにかく股間を冷やすことが大事です。

  • R 安静(Rest):安静にして、打った部分を無理に動かさない
  • I 冷却(Ice):冷却することで炎症や内出血を抑える
  • C 圧迫(Compression):軽く圧迫して内出血や腫れを抑える
  • E 挙上(Elevation):心臓より高く上げると、腫れ・内出血を減らす効果がある

性行為を控える

股間をぶつけて、外陰部に痛みや腫れがある場合は、性行為をしたくても我慢したほうが良いです。外陰部への性的刺激はできるだけ控え、安静にするべきです。

外陰部の腫れは、身体が炎症・出血・感染・外傷などに反応している証拠です。患部である膣のなかに、勃起した硬いペニスを挿入してピストン運動をすると強い圧痛を感じるだけでなく、摩擦や振動によってさらに炎症を起こして症状を悪化させる可能性があります(Figure 4)。外陰部に炎症や裂傷がある場合、細菌感染や性感染症を引き起こすリスクがあります。

歩行、排尿、圧迫時に違和感がなくなったら性行為を再開してもかまいません。

Figure 4 : 通常の体位による陰茎の挿入時のイメージ。陰茎の挿入とピストン運動の圧力により女性外陰部の内部の炎症が悪化する可能性がある。Missionary sex position of heterosexual Asian couple

外陰部血腫

小さい血腫(腫れ)の場合

股間をぶつけたときに、陰核や小陰唇周囲に紫斑(内出血)や腫れが現れることがあります。これは、局所の血管が押しつぶされたり、裂けたりして血液が漏れたことによるものです。

腫れがさらにひどくなると、外陰部の片側または両側が肥大化し、被膜でおおわれた血の塊である「血腫(けっしゅ、Hematoma)」となります(Figure 5)。

⁠血腫は、外陰部への衝撃により外陰部の軟部組織が骨に圧迫され、血管が内部で損傷することで発生します。表皮の下の組織に血液が漏れ出すと血腫になります。⁠事故による外陰部血腫は違和感があるほど大きくなることがあります。会陰部と外陰部の豊富な血管供給と、皮下脂肪組織の耐久性の低さによって、出血や大量血腫の発生を招きます。

Figure 5 : 股間損傷。思春期の少女の会陰部に顕著な出血斑、腫脹、および挫傷が認められた。左大陰唇(写真では右)の外側が大きく腫れることによって、マンコの割れ目が太ももに押し付けられてほとんど見えなくなっている(Photo contributor: Lawrence B. Stack, MD.)
参考リンク

8-15: Straddle Injury(股間損傷)The Atlas of Emergency Medicine, 5e
https://accessemergencymedicine.mhmedical.com/content.aspx?bookId=2969&sectionId=250457060

保存的治療

小さい血腫を切開してしまうと、本来は無菌であるはずの血腫に細菌が入り込む可能性があります。

⾎腫が⼤きくなく、陰部の解剖学的形状が正常で出血が無く、排尿困難でない場合は、直ちに氷や冷却パックを当てて冷却し安静にします(身体活動を制限する)。この場合は手術をする必要はなく、自然に血腫が小さくなっていくのを待ちます(これを「保存的治療」といいます)。これにより痛みが抑えられ、腫れや血腫への出血を抑えることができます。

  • 腫れが軽度で拡大していない
  • 血腫以外に損傷がない
  • 排尿が困難でない

溜まった⾎液は筋膜⾯に沿って流れることによって、血腫が自然に吸収されていきます。腫れが拡大しなければそのまま治りますが、内出⾎の変⾊は解消するまでに数週間かかることがあります。

股間をぶつけて腫れがあっても、通常は保存的治療によって治るため、病院に行く必要が無いことのほうが多いです。痛みがある場合は、NSAIDsなどの鎮痛薬(ロキソプロフェンなど)が有効です。

参考リンク

Traumatic vulvar hematomas: conservative versus surgical management.(外傷性外陰部血腫:保存的治療と外科的治療)
https://europepmc.org/article/med/9496865
・急性血腫の拡大がない場合は、保存的治療が成功することが多い。

Non-obstetric vulval trauma(非産科的外陰部外傷)
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1742-6723.12016
・急性血腫の拡大がない場合は、血腫の保存的治療が推奨されます。

おしっこが出なくなる

男性と比較して、女性の外陰部には開口部が多いという特徴があります(尿道、膣、バルトリン腺、スキーン腺、肛門、その他の汗腺など)。開口部は基本的に不要な物を排出するためにあります。外陰部が⁠腫れ上がると血腫が邪魔をして開口部がふさがるため、排出されるべき物が排出されず、日常生活に支障をきたす恐れがあります(Figure 6)。⁠

Figure 6 : 尿道は小陰唇の中にあり、陰唇が腫れることによって尿道や膣口がふさがることがある。

血腫が大きくなり尿道が押されてふさがると、膀胱に尿がたまっているのに自力で排尿できない「尿閉(にょうへい、Urinary retention)」になります。女性の⁠長時間の尿閉は重症化しやすく極めて危険です。尿路感染症を引き起こす可能性があり、膀胱損傷、急性腎不全、敗血症へ進行する可能性もあります。

注:股間強打時は排尿できるかどうかが極めて重要です。排尿可能かを必ず確認します

膣口がふさがった場合は、月経血や分泌物の排出が妨げられることがあり、放置すると重篤な合併症を引き起こすこともあります。

参考リンク

Traumatic injuries of the female external genitalia and their association with urological injuries(女性外性器の外傷と泌尿器科的損傷との関連)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9474191/
・分娩に関連しない女性性器の外傷を負った女性の30%は、泌尿器系損傷を併発している。

血腫の大きさ

血腫ができた場合は血腫の大きさを測り、保存的治療によって血腫が小さくなっていくことを確認します。⁠保存的治療が可能な血腫の大きさについては様々な報告があり、確定していません。

女性の外陰部は柔らかい組織でできているため、血腫が急速に拡大した場合、直径10cmを超える場合もあります(Figure 7)。ちなみに、男性の睾丸が直径4cmから5cmですから睾丸2個分より大きいです。

腫れが大きくなる場合は内部の組織の損傷または骨折の疑いがあります。血腫の大きさにかかわらず、疼痛が強すぎる場合、歩行や排尿が困難な場合、血腫が増大する場合、初期治療が奏効しない場合にはできるだけ早期に診察を受け、手術による血腫の除去を行う必要があります。急いで婦人科産婦人科(女児は小児科)へ受診しましょう。

Figure 7 : 論文掲載の画像。19歳の女性の外陰部血腫の例。(A)起立性失神発作で木製の物に誤って転倒、右外陰部全体(写真では左)に12x7cmの膨張が認められた。黄色の管はカテーテル (B)切開手術後数時間で疼痛と苦痛が大幅に軽減し、術後5日後に退院した。
参考リンク

Surgical management of a large non-obstetric vulvar hematoma: A case report(大きな非産科性外陰部血腫の外科的治療:症例報告)
https://www.ijcriog.com/archive/article-full-text/100103Z08VZ2022
Zejnullahu VA, Zejnullahu VA, Kosumi E.
J Case Rep Images Obstet Gynecol 2022;8:100103Z08VZ2022.

外科手術を要する場合

血腫が大きい場合、皮膚を切開して血腫を除去・排膿する手術を実施します(Figure 8)。「手術」とは言っても大掛かりなものではなく、局所麻酔で液体成分を排出するだけの切開であり、大きくても数センチ程度です。

血腫がさらに拡大すると、血腫からの圧力によって血⁠腫の上にある皮膚が壊死し、硬い皮状の壊死組織(焼痂、しょうか)に変化することがあります。できるだけ早く⾎腫を排出することで痛みが軽減し、回復が早まり、壊死、組織損失、⼆次感染を予防できます。

  • 手術:血腫除去・排膿
  • 止血:血管内にカテーテルを入れて血管を塞ぐ
  • 膀胱カテーテル:強制的に尿を出す

出血している血管がある場合は、血管内にカテーテル(管)を入れて出血している血管を塞ぐ手術を行う場合があります。

外陰部⾎腫が大きく圧迫によって自力で排尿できない場合は、膀胱カテーテル(尿道カテーテル、Urinary catheter)の挿入を行い、尿を排出します。腫れが解消するまで細菌尿を外部に出すドレナージを継続する必要があります。この場合も手術即日で退院することは可能ですが、尿を出すために膀胱留置カテーテル(フォーリーカテーテル、Foley catheter)を挿入したままで退院することになります。

Figure 8 : 論文掲載の画像。14歳の女性の外陰部血腫の例。遊園地でシートベルトにつまずいて転倒し、右大陰唇(写真では左)に6x5x3cmの血腫ができた。真ん中が腫れているように見えるが、片側だけが大きく腫れているのでマンコが変形し、割れ目がふさがっている。
参考リンク

Management of Vulvar Hematomas: Use of a Word Catheter(外陰部血腫の管理:Wordカテーテルの使用)
https://www.jpagonline.org/article/S1083-3188(09)00121-1/abstract
Evelyn Y. Mok-Lin MD, Marc R. Laufer MD
Journal of Pediatric and Adolescent Gynecology Volume 22, Issue 5, October 2009, Pages e156-e158.

女の子が股間をぶつけた時

女児のマンコは腫れやすい

非産科性の外陰部血腫は、小児、思春期前の女子によく見られます。女の子の陰部からの出血がある場合、生理の経血や処女膜の破れによる出血と混同しないように注意しなければなりません。

成人女性の大陰唇は、豊富な血管と神経終末を外傷から保護するための脂肪沈着物質が蓄積しています。しかし、小児期および思春期の女子にはこの保護構造が無いため、外傷後の血腫形成の主な原因となっています(Figure 9)。

外陰部血腫は非常に痛みを伴うため、特に女児や思春期の女子は、痛みや腫れで排尿できなくなることがあります。また、女の子の股間は割れ目しか無いように見えますが、「子どもにもクリトリスがある」ことを忘れてはいけません。当たり所が悪ければ性的な不感症となり、将来の性行為時に膣が濡れないこともあります。

Figure 9 : 子供と大人の外陰部の外観。(A)Tanner段階IIの8歳女児。恥丘に脂肪が無く、脂肪組織が少ない。(B)大人の外陰部は神経と血管を守る構造に変化する。大陰唇の表皮は厚く、色素が豊富でボリューム感がある。

女児はとりあえず小児科へ

女の子が陰部を強打して痛がっている場合、まずは「かかりつけの小児科」または救急外来を受診するのが正しいです(婦人科医師の診察が必要な場合はそこから紹介される)。

過去の病歴(カルテ)が分かっている小児科の医師であれば、別の原因による腫れや性的虐待などの可能性を否定できます。別の病気による処方薬も把握しているため、それを踏まえたうえでアドバイスを受けることができます。

その小児科で対応できない場合や、より専門的な診察が必要と判断された場合は、必要に応じて泌尿器科や小児外科、皮膚科などへの紹介となることがあります。

性的虐待を否定する証拠を持参したほうがよい

事故による外傷は、性的暴行に伴う外傷と似ている場合があります。医師は外陰部外傷の診察の際には、必ず性的暴行の可能性を確認します。それは、決して悪意ではなく、医師は性的暴行の有無を確認する法的義務があるからです(児童虐待防止法第6条、児童福祉法第25条)。

医療機関に受診する場合は、外陰部打撲の原因となった硬い物体(ぶつけた物)または状況が分かる写真を撮って持参したほうが良いです。

女児の外陰部血腫症例

日本小児科学会「Injury Alert(傷害速報)」で、11歳女児のバスチェア(プラスチック製風呂イス)による股間強打・外陰部血腫の症例が報告されています。

  • 状況:2019年10月に11歳女児(身長145.7cm、体重37.1kg)が自宅で15歳の姉と入浴後、浴室内で滑ってバスチェアの突起部に尻もちをついて股間を強打(Figure 10-A)。
  • 症状:その日に救急病院へ受診したが、鎮痛剤で経過観察となった。しかし、腫れが増強したため2日後に小児科で2回目の受診、右大陰唇(写真では左)に血腫を認めた(Figure 10-B)。痛みで歩行困難。その後、5日間入院して保存的治療をしたが改善しなかった。
  • 手術:同病院の婦人科医師により全身麻酔で除去手術。手術後2日で歩行可能となり、術後5日で退院(経過良好)。
Figure 10 : 傷害速報「No.064-事例3-類似事例1」の添付画像。11歳女児の外陰部血腫。転倒した直後は「あまり痛くなかった」とのことなので恥骨とクリトリスは打っていないと思われる。
参考リンク

Injury Alert(傷害速報)公益社団法人 日本小児科学会
https://www.jpeds.or.jp/modules/general/index.php?content_id=35
バスチェアによる女児の外陰部外傷(No.64 女児の会陰部外傷の類似事例 1)
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/injuryalert/0064_example.pdf

女子スポーツ時の症例

女子スポーツでも股間強打は頻繁に起こります。外見上問題なさそうに見える場合であっても、冷却したほうが良いです。

体操中の打撲⁠による巨大外陰部血腫

トルコの16歳の女性、体操競技中の打撲による巨大外陰部血腫の症例が報告されています(2018年2月23日論文掲載)。

  • 状況:トルコ、イスタンブールの16歳の女子選手が体操競技中に打撲した。
  • 症状:右大陰唇に13cm x 10cmの血腫を形成した(Figure 11)。血腫のために激痛、歩行困難で、後に吐き気やめまいも加わった。出血や血尿はなかった。
  • 手術:右大陰唇を縦に3cm切開して血腫を排出、縫合した。膀胱にフォーリーカテーテルを挿入。術後初日に合併症なく退院。手術から2週間後、血腫は完全に解消し、外陰部は左右対称となり、正常な構造に回復した(Figure 12)。
Figure 11 : 論文掲載の画像。巨大血腫により右大陰唇(写真では左)が膨れ上がり小陰唇など陰裂の中が全く見えない。女性外陰部血腫は10cmを超えることがあり、男性の玉袋のように見える。
Figure 12 : 論文掲載の画像。16歳の女子選手の外陰部の外観。手術後2週間で正常な形に戻った。性的快感が戻ったかどうかは論文では述べられていない。
参考リンク

Massive Traumatic Vulvar Hematoma in Teenagegirl(10代の少女の外陰部巨大血腫)
https://austinpublishinggroup.com/obstetrics-gynecology/fulltext/ajog-v5-id1095.php
Helvacioglu C, Alay I, Hosgoren M, Bahceci E and Ekin M.
Austin J Obstet Gynecol. 2018; 5(2): 1095.

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