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競泳水着のクロッチをずらす排尿方法のメリットとデメリット【女子水泳選手トイレ】

競泳水着のクロッチ部をずらして排尿する方法は、時間の節約や便宜を図る面では便利な一面がありますが、それに伴うリスクも多く、長期的にはウェアの劣化や衛生面の問題、競技中の不快感などを引き起こす可能性があります。できるだけトイレのタイミングを前もって管理し、ウェアの着脱は慎重に行うことが推奨されます。

女子の競泳選手の排尿方法

女子の競泳選手が競泳水着を着たままトイレに行く方法については、以下のような実際的な対応がされています。競泳水着は非常にタイトで着脱が大変なため、場面によって工夫が必要です。

全裸になる(基本)

男女とも排尿を行う際には尿道口を露出する必要があります。女性の尿道口は陰唇の中にあり、体内寄りに位置しています。男性のように陰茎を持たないため、外陰部全体を露出する必要があります。

競泳水着は下半身を覆う構造になっているため、女子が外陰部を露出するには水着をある程度下ろすか脱ぐ必要があります。そのため、ワンピースの競泳水着の場合は原則として全裸になる必要があります。

更衣室や個室トイレで、肩のストラップを外して上から水着全体を下ろし、全裸になります。排尿が終わったら水着を着なおします。全身タイプの高速水着(いわゆる「フルボディスーツ」)は着脱に数分かかることもあります。

競泳水着を着たまま排尿

トイレを含めた着脱は、なるべく水着やショーツを脱いだ状態で行うのが基本です。

しかし、一部の女子選手は、着脱に時間がかかるワンピース水着(特にハイレグタイプ)でトイレに行く時間が限られている時に、完全には脱がずにトイレや排尿を行う場合があります。

クロッチをずらす方法

ワンピース型競泳水着やレオタードのように上下が一体型で、完全に脱ぐのが困難な状況で使われる実用的なテクニックです。

クロッチをずらすとは

クロッチcrotch)は、下着や水着、レオタード、ボディースーツなどの衣類で、股の部分(股間を覆う布)です。

クロッチ部分は通常、尿道・膣・肛門を覆うように作られているため、トイレで用を足す際に、クロッチを手でずらし尿道や膣などの外陰部を一時的に露出させて排尿します。

クロッチをずらすには、横にずらす方法と斜め前にずらす方法がありますが、通常は横に引く方が安定しやすいです。

クロッチを横にずらす方法

クロッチの布を指(親指+人差し指、または中指)でつまみ、脚の外側方向に横へ引っ張ってずらします。アンダーと水着の2枚重ねの場合は一緒につまんでずらします。

  • 利きの場合は、右手でつまんで、の太もも方向(外側)へ引っぱる
  • 左利きの場合は、左手でつまんで、左の太もも方向(外側)へ引っぱる

このとき、外陰部が完全に露出したことを確認します。

洋式トイレの場合は太ももで布を押さえて固定することで、手を離しても安定させられる場合もあります。お尻や太ももに密着してクロッチがずれにくいときは、前後に少し引き上げて細い棒状にしてから横に引くと動きやすくなります。

なお、1か所で引っ張っても露出しない場合は前後2か所を持って横に動かすこともあります。片手を前に、片手を背中側に回して、両手で前後に引っ張る方法もあります。

クロッチを斜め前に引っ張る方法

片手でクロッチ部の前側をつまみます。会陰部(外陰部の前方)に当たっている布を、下腹部の斜め前方向(斜め上方向)に引っぱるようにしてずらします。

女性の尿道口は、膣のすぐ前方にあります。クロッチ部分の布をつまんで持ち上げるようにしつつ、やや前方、膝とおへその間くらいの方向(30〜45度くらい)を目指して引くと、尿道口の周囲が開いてスムーズに排尿できます。

布が横に引っ張りにくい構造のウェアの場合、クロッチ部の前後方向に伸びやすい素材の場合に有効です。ただし、前にずらす場合は、肛門側はあまり開かれないため、生理中や排便時には適していません。

クロッチをずらして排尿する手順

事前に正しい排尿姿勢をとり、尿路がまっすぐになるように練習しておきます。

トイレの準備

トイレの個室に入ります。拭くためのトイレットペーパーをあらかじめ用意しておきます。

脚を肩幅程度に開いて、下半身の可動域を確保します。上体をやや前傾姿勢にして(お尻を突き出す姿勢)正しい排尿姿勢をとります。太ももを大きく広げたほうが作業しやすくなります。

クロッチをずらす

前述のようにクロッチの布をつまんで引っ張ってずらします。ずらしたまま便座に座ります。和式の場合はクロッチをずらしてからしゃがみます。

このとき小陰唇が布から完全に露出していることを確認します。小陰唇が見えない場合は、尿道口付近の陰裂(割れ目)がしっかり露出していることを指で直接触るなどして確認します。

手で持ち続けるのが難しければ、太ももで軽く挟むと安定します。

排尿

尿が布にかからないよう、足の角度や姿勢を微調整しながら排尿します。股を大きく開いて、腰を前傾姿勢にすると、尿が真下に落ちやすくなります。

勢いが強すぎると飛び散りやすいので、腹圧をかけないようにします。

排尿が終わったらトイレットペーパーで丁寧に拭き取ります。ずらしていたクロッチ部の布をゆっくり元の位置に戻します。

女子競泳選手がクロッチをずらして排尿するメリット

競泳水着を着たままクロッチ部分(股布)をずらして排尿する方法は、特定のシチュエーションにおいていくつかの実用的なメリットがあります。

競技前の時間を節約できる

競泳水着は非常にタイトで、完全に脱ぐのが難しいです。特に試合直前のウォーミングアップ中、素早くトイレを済ませることができる場合があります。

競泳水着をずらして排尿することで、着替えや移動の時間を短縮し、より早く競技に集中することができます。

急な排尿時に柔軟性を持てる

競技が始まる前、あるいは競技中に急に排尿したくなった場合に、ウェアを完全に脱がずに済ませることで素早く対応できることがあります。この場合、特に緊急時に迅速に対処できるメリットがあります。

肌の露出を最小限に

全部脱ぐと身体が冷える場合がありますが、着たままなら体温低下を防げます。特にプールサイドや寒い環境では有効です。

また、女子トイレが混雑している時など、やむを得ず屋外で放尿しなければならない状況(野ション)のときも、人前での露出を最小限に抑えられます。

ずらしトイレの注意点

クロッチをずらす方法は、いくつかの問題やリスクを引き起こす可能性があります。

水着のダメージ

クロッチの破れ

競泳水着やショーツは非常に薄く、張力で体に密着する設計です。

縫製部分が引っ張られることで、縫い目がほつれる、または裂けることがあります。特にクロッチ部は強い張力がかかる場所なので、破れるリスクが高まります。

クロッチ部分が破れた場合には外陰部が露出する可能性があります。クロッチ部が布製で伸びにくい場合は無理に引っ張らないようにします。

縫製へのダメージ

競泳水着は高伸縮性の生地(例:ライクラ、ポリウレタン)を使用しており、形状を維持するために緻密な縫製がされています。

縫い目部分には負荷が集中しやすく、クロッチ部やその他の縫製部を無理に引っ張るとステッチのほつれや伸びが生じやすいです。

生地の変形と不快感

競泳水着やショーツは、速乾性やフィット感、コンプレッションを重視して作られています。これらの素材は、非常に伸縮性が高く、身体にぴったりとフィットするように設計されています。

高価で繊細な素材が使われている競泳水着は非常にデリケートで、摩擦や引っ張りに弱いです。繊細な伸縮性素材を無理に引っ張ると、生地が変形し、元の形状に戻らないことがあります。これにより、長期間使用した際にフィット感が崩れ、食い込みやズレが生じて不快感を引き起こします。

一度伸びたり破損すると、フィット感が損なわれ、競技中にズレや食い込みが起こることがあります。特にクロッチ周辺は構造上、あまり伸ばすことを想定されていないため、変形すると機能低下につながります。

衛生面や健康への影響

競泳水着を無理にずらすことで、生地が引っ張られた部分に不均等な圧力がかかり、血流に影響を与える可能性もあります。これが長時間続くと、血行不良や痛み、圧迫感が生じることもあります。

ずらし方によっては尿が飛び散りやすく、尿線が安定せず、脚や水着が汚れる可能性があります。

競泳水着を着ているときのトイレに関する工夫

競泳水着を着用している際、トイレに行くのは大変なことが多く、選手たちはトイレに行く際などに水着をずらすことのほか、いくつかの工夫をしています。

練習用水着で一時対応

ウォームアップ中は、本番用の水着とは別の水着やジャージなどを着用して、トイレに行きやすい状態を保つ方法があります。練習用水着としてストレッチ性が高く着替えやすい水着を用意しておきます。

レースで使用する本番用の水着はレース直前に着用し、終わったらすぐに脱ぎます。

セパレートタイプを選ぶ

全身一体型の水着は着脱が困難なため、特に練習や小規模な大会では上下が分かれているセパレート型(ツーピースタイプ)の水着を選ぶ選手もいます。

トイレ時に上下を分けて対応できるため実用的です。

トイレを着用前に済ませる

競技が始まる前に、時間に余裕を持ってトイレを済ませておくことが最も簡単で効果的です。

競泳水着は非常にタイトで着脱に時間がかかるため、レース直前に着る前に必ずトイレを済ませ、着脱の時間を確保してルーティン化している選手が多いです。

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