古代からクリトリスの存在は知られていましたが、クリトリスの全体構造が科学的に解明されたのは1998年以降という事実は、男性偏重がいかに深刻かを物語っています。
「女性の性欲は二の次」という価値観のせいで、多くの性教育では生殖に重点が置かれ、女性の快楽に特化した器官であるクリトリスについてはほとんど教えられません。クリトリスの歴史を知ることは、女性の性への誤解、抑圧と解放の物語を知ることでもあります。

クリトリス(陰核)の語源
陰核(クリトリス、clitoris)は、女性の尿道口の上にある突起であり、適切な刺激を加えることで何度もオーガスム(orgasm)に到達します。クリトリスという用語は通常、外部に露出している先端部分の陰核亀頭のみを指すことが多いです。

clitorisの語源
クリトリス(clitoris)は、古代ギリシャ語の「小さな丘」を意味するクレイトリス(kleitoris)に由来し、「鞘に入れる」または「閉じる」を意味する動詞kleieinから派生した用語であるとされています(オックスフォード英語辞典)。
また、ギリシャ語の「鍵」を意味するkleisとも関連があり、古代の解剖学者は女性のセクシュアリティの鍵と考えていたことを示しています。
Oxford English Dictionary
https://www.oed.com/dictionary/clitoris_n?tab=factsheet
陰核の語源
「陰核」という用語はもともと男性の睾丸(金玉、Golden balls)を表す漢語であり、日本でも中世以前は睾丸を指す用語として使われてきました。
しかし、近代日本の西洋医学において和製漢語の影響により、本来の漢語(医学用語)の意味が変更されました(平たく言えば日本人が日本語にあわせて勝手に意味を変えた)。この時、「陰核」は女性のクリトリスを指す用語と再定義されました。明治時代の日本の医学書には陰核=クリトリスとして記載されています。
この用法は他国にも広まり、現代では、日本語だけでなく中国語、韓国・朝鮮語の「陰核」もクリトリスの意味で使われています。
杉山和也「身体語彙の性転換」日本医史学雑誌第62巻第4号(2016)
http://jshm.or.jp/journal/62-4/62-4_hiroba_1.pdf

古代~15世紀のクリトリス
古代ギリシャのクリトリス
クリトリスは、紀元前(2500年以上前)から女性の生殖器の一部として人類の注目の対象であり、当時でも一部の医師はクリトリスを男性のペニスと同等のものとみなしていました。
古代ギリシャの医者ヒポクラテス(Hippocrates、紀元前460年頃 – 紀元前370年頃)は女性器の小さな突起を「コルメラ(columella、小さな柱)」と呼び、当初、その機能は膣の入り口を保護することだと述べました。
クリトリスという言葉(ギリシャ語のkleitoris)を記述した最初の医師は、古代ギリシャのルフス・エフェソス(Rufus Ephesius、西暦1世紀 – 2世紀)でした。紀元後100年頃、ギリシャ語には「快感を得るためにクリトリスを愛撫する」という意味の派生動詞があったと記述しています。
ポンペイにある豪華なメナンドロス宮殿のモザイク画は、芸術的な表現を私たちに見せてくれます。それはカルダリウム(温浴専用のエリア)の入り口を飾っています。

クリトリスは軽視された
古代および中世の学術文献では、クリトリスについて詳細に言及されることは稀で、ローマ帝国時代のギリシャの医学者ガレノス(Galenus、西暦129年頃 – 216年頃)は、女性の身体は男性の身体を「裏返しにした」ものであり、膣は反転したペニスであり、クリトリスの存在については一切言及しませんでした。この考え方はルネッサンス時代まで医学的理解の標準と考えられ、中世ヨーロッパとアラビアの知識の基礎となりました。

古代ギリシャのレズビアンの女性たちは、摩擦によってクリトリスの頭部を直接刺激することで性行為を行っていました(トリバディズム=女性器同士をこすり合わせる)。

しかし、古代ギリシャ・ローマでは、挿入は「男性定義」の性行為とされていた。性行為にはどちらかのパートナーが「男根的」である必要があり、この特徴がなければ女性同士の性行為は不可能だと信じられていました。レズビアンは神話の中で肥大したクリトリスや男根なしでは性行為を楽しむことができない人として一般的に関連付けられていました。レスボス島で同性愛が広まった理由の一つは、島民のクリトリスが肥大し、それがペニスとして使われていたためだという説があります。
中世のクリトリス
10~11世紀のイスラーム世界を代表するペルシャの医学者・哲学者のアヴィセンナ(Avicenna、イブン・スィーナー)は1025年に医学に関するアラビア語の百科事典である「医学典範」を完成させました。その中でクリトリスに、杖を意味する「アルバトラ(albatra)」または「ヴィルガ(virga)」と名付けました。ローマ人は古代ラテン語の俗語で「landica」と呼んでいました。

チュニジア生まれの医師コンスタンティヌス・アフリカヌス(Constantinus Africanus、1017 – 1087)の論文「性交の書」はクリトリスに数回言及するのみでした。
このように学者たちは、男性と女性の性器が解剖学的に類似していることを認識していましたが、クリトリスに関心を持たず、一部の学者はクリトリスの存在を稀な病理学的異常と誤って解釈していました。
しかし、13世紀、中世で最も多作な著述家の一人であるドイツのキリスト教神学者・哲学者のアルベルトゥス・マグヌス(Albertus Magnus、1200年頃 – 1280年11月15日)は、アリストテレスがクリトリスの詳細を説明する際に用いなかった性的興奮の心理を加えることで、男性と女性の構造と機能の相同性を強調することが重要とし、クリトリスとペニスの両方に、アヴィセンナが名付けた「ヴィルガ(virga)」を用いました。

イタリアの哲学者で医学教授のピエトロ・ダバノ(Pietro d’Abano、1250年頃 – 1316年)は、死後に出版された著書「哲学者と医師の対話のための調停者」(1476年)の中で、陰核そのものには言及せずに、女性は恥骨近くの「上部の開口部」(orificium superius)の摩擦によって興奮すると述べています。
古代ギリシャ、ペルシャ、アラビアの医師や外科医によってクリトリスは記述されていましたが、その機能は誤解されていました。フランスの医学博士・解剖学者のシャルル・エティエンヌ(Charles Estienne、1504 – 1564、別名カロルス・ステファヌスCarolus Stephanus)は、1545年に著作「人体解剖学」の中でクリトリスが排尿に重要な役割を果たすと述べています。

15世紀から17世紀にかけての魔女狩りの最も影響力のある指導書である「魔女の鉄槌」には、魔女は髪の毛をすべて剃り落とすべきであり、悪魔の印を探すべきだと記されています。これらの印の1つは「魔女の乳首(witch’s teat)」であると言われており、これは悪魔に血への渇望を与え、「女性の親密な部分」に置かれました。イギリスで1593年に魔女として処刑された女性アリス・サミュエル(Alice Samuel)の膣の描写に基づくと、この「乳首」は彼女のクリトリスの亀頭であると考えられます。
ルネッサンス以降のクリトリス
クリトリスは2世紀からすでに医学界に広く知られ、古代ギリシャ語のkleitorisに由来しています。
中世ヨーロッパでは、キリスト教的価値観の影響で、女性の性についての探求や記述はタブー視されました。15〜16世紀になると再び解剖学の研究が進み、ヨーロッパの医学文献では16世紀に初めてクリトリスの存在が認められ、クリトリスという用語がそのまま再導入されました。
クリトリスの再発見論争
16世紀には、イタリアのレアルド・コロンボ(マッテオ・レナルド・コロンボ、Matteo Realdo Colombo、1515 – 1559)と、ガブリエレ・ファロッピオ(ファロピウス、Gabriele Falloppio、1523年 – 1562年10月9日)の間で一連の論争が繰り広げられました。2人ともイタリアのパドヴァ大学の教授であり、それぞれ異なる時期にクリトリスを発見したと主張しました。
パドヴァ大学の外科教授であったコロンボは、1559年に「解剖学について」と題する本を出版し、その中で「女性の快楽の場所」について述べています。

これらの突起は、子宮口と呼ばれる開口部の近くの子宮から発生し、腹部の外側に出て恥骨の上まで上昇します。そして、その開口部の上を巻き付いて外陰部の頂点の特定の隆起した部分で終わり、そこから分泌物が出てきます。そして読者よ、率直に言って、これこそが、女性が性的パワーを行使しているときに喜びを感じる最大の場所なのである。ペニスでこするだけでなく、一番細い指で触れるだけでも、快感からか、あるいは意志に反してか、精液がより早く空気中に飛び散ります。子宮のこの同じ部分は、女性が金星を欲しがり、星に打たれたかのように、情欲に駆られて男性を欲する一方で、触ってみると、より硬く、より長くなり、男性のペニスのような外観を呈していることが分かる。したがって、これらのプロセスとその使用にまだ誰も気づいていないので、私が発見したものに名前を付けることが許されるなら、それはヴィーナスの愛、または甘美さと呼ばれるかもしれません。これほど多くの優れた解剖学者が、これほどの実用性のために、これほどの技術で成し遂げられた、これほど美しいものの匂いさえ嗅ぎ取らなかったとは、言葉では言い表せないほど感心しています。しかし、私の解剖学の解説を目にしたあなた方は、私が少し前に忠実に説明した過程がなければ、女性は誰もヴィーナスの抱擁に喜びを感じなかっただろうし、胎児を妊娠することもなかっただろうということをご存じでしょう。
コロンボは「珍しい解剖学的構造」というセクションでもクリトリスについて言及しており、クリトリスが小指と同じくらい長く太く、膣口が非常に狭いエチオピア人女性のことを述べています。
また、卵管の発見者で、パドヴァ大学の解剖学および外科学の教授としてコロンボの後任となったファロッピオは、1561年に論文「解剖学的観察」を出版し、その中で前任者の発見を否定して「現代の解剖学者はこれを完全に無視しており、一言も語っていない。もし他の人がこれについて話しているのであれば、私か私の学生から取ったものだと知らせてほしい」と述べた。ファロピオは自分がクリトリスを最初に発見したと信じていました。

しかし、前述のとおり、古代からクリトリスの存在は解剖学者の間で知られていました。2人の主張は、17世紀のデンマークの解剖学者でバルトリン腺の名前の由来となったカスパル・バルトリン(Caspar Bartholin、1655年9月10日 – 1738年6月11日)によって否定されました。
クリトリスの再定義と命名
17世紀の助産婦は、妊娠を助け、女性が健康と幸福のため、また健全な人間関係を維持するために、男性と女性に対してオーガズムを目指すよう推奨しました。
イギリスの助産師ジェーン・シャープ(Jane Sharp、1641–1671)は、1671年に出版された「The Midwives Book: or the Whole Art of Midwifery Discovered(助産師の本、発見された助産術の全貌)」でクリトリスの性的機能について説明しています。

女性は挿入によってのみオーガズムを感じるのではなく、クリトリスによって女性の性欲が高まり、性行為に対して喜びを見いだせること、そして、クリトリスは男性の生殖器のように伸びることや、それが伸びるときは女性の気分が高揚したときにあるという内容のものでした。また、クリトリスが無ければ女性の性行為における喜びは感じられず、その喜びが無ければ子供を作ることも、生まれることもなくなるであろうという警告を促すものでした。
The midwives book. Or the whole art of midwifery discovered. Directing childbearing women how to behave themselves / [Jane Sharp].
助産師の本。あるいは、助産術の全貌が明らかに。出産する女性に振る舞い方を指導する / [ジェーン・シャープ]
https://wellcomecollection.org/works/sw68jftr
17世紀末までにクリトリスに関する知識は徐々に増大し、その亀頭、包皮、陰茎体、陰茎海綿体、前庭球、そして神経血管求心性神経と懸垂靭帯が解明され、かなり正確に記述されました。
オランダの医師および解剖学者レニエ・デ・グラーフ(Regnier de graaf、1641年7月30日 – 1673年8月17日)は、クリトリスの構造の適切な説明を発表しました。デ・グラーフは時代をはるかに先取りしており、卵胞を発見しただけでなく、女性の前立腺と女性の射精についても記述しました。

ニンファ(nympha、ラテン語の小陰唇)とクリトリスを区別する必要性を強調し、混乱を避けるために「常に(クリトリスに)クリトリスという名称を与える」ことを選択しました。これにより、解剖学者の間では、この器官の正しい名称「クリトリス」が頻繁に使用されるようになりました。

電マとバイブの発明
19世紀初頭まで、女性特有の子宮の鬱血が原因と当時考えられていた疾病症状・ヒステリー・倦怠感抑うつ症状に悩む女性は、女性ヒステリーと呼ばれる病気と診断されました。しかし、この病気には治療法がなく、現代で言う性感マッサージに相当するクリトリスマッサージでしか緩和できないとされていました。女性がオーガズムに達するまで、医師は患者の外陰部を触り、患者がオーガズムに達すると症状が治まりました。
医師(男性)は女性患者のクリトリスを刺激する治療を行っていましたが、この手技が重労働を伴い手首を痛める医者が少なくありませんでした。

1880年、イギリス人医師ジョセフ・モーティマー・グランヴィル(Joseph Mortimer Granville、1833年5月4日 – 1900年11月23日)は、男性医師の手首の筋肉痛を和らげるために手持ち式の医療用電動振動器(電気機械式バイブレーター)を発明、特許を取得しました。
この機械はあくまで男性医師向けに製造・販売されましたが、女性患者に対しても(電マとして)この装置を用いてクリトリスを刺激して、オーガズムを誘発する医療行為に用いられたと言われています。

現代の電マも、本来は筋肉のこりやハリを解消するために使用する電動マッサージ機(ハンディマッサージャー、HITACHI日立マジックワンド)でしたが、日立の意図とは異なり、クリトリスを刺激する使い方のほうがはるかに有名で、女性がオーガズムに達しやすいことで知られています。
クリトリスの完全解明
ドイツの解剖学者ゲオルク・ルートヴィヒ・コベルト(Georg Ludwig Kobelt、1804年3月12日 – 1857年5月18日)はクリトリスの神経血管系を正確に記述したことで知られています。
1844年、クリトリスの非常に詳細な解剖学的記述を発表し、球部をクリトリスと連絡する血液の貯蔵庫と特定し、球海綿体筋の収縮とクリトリス体部の張の増加および亀頭の感度との関係を示しました。また、感度の神経は膣よりもクリトリス亀頭のほうがはるかに多いことも強調しました。
De l’appareil génital des deux sexes dans l’espèce humaine et dans quelques mamifères au point de vue anatomique et physiologique
解剖学的および生理学的観点から見たヒトおよび一部の哺乳類の両性の生殖器官について
https://numerabilis.u-paris.fr/medica/bibliotheque-numerique/resultats/index.php?do=zoom&cote=55545

イギリスの解剖学者、外科医のヘンリー・グレイ(Henry Gray、1827年 – 1861年6月13日)が1887年に出版した解剖学の標準教科書「グレイ解剖学(Gray’s Anatomy)」にクリトリスが登場しました。この教科書では、クリトリスは本来の大きさで描かれていました。1901年には小さな突起としてのみ描かれ、1913年にはグレイ解剖学から完全に姿を消しました。
ポワリエとシャルピーによるフランスの標準書「人間の解剖学」1907年版では、クリトリスが12枚の優れた図解で描かれていました。

アメリカの性科学の先駆者で動物学教授アルフレッド・キンゼイ(Alfred Charles Kinsey、1894年6月23日 – 1956年8月25日)が1953年に発表した研究「Sexual Behavior in the Human Female(人間女性における性行動)」ではクリトリスオーガズムの役割が強調され、米国で広く報道されました。この研究では、ほぼすべての女性が実践しているマスターベーション(オナニー)の重要性を示しました。
1970年代には、科学の進歩をフェミニストやレズビアンが取り上げ、男性の支配による性と医学に終止符を打つためにクリトリスによるオーガズムを推進しました。
オーストラリアの泌尿器科医ヘレン・オコネル医学博士(Helen Elizabeth O’Connell)が、1998年、コベルトの研究を補完し、クリトリスの広範囲に枝分かれした深部構造に関する研究成果を発表しました。これによりクリトリスが完全な形で認識されることになりました。2005年には「ANATOMY OF THE CLITORIS(クリトリスの解剖学)」という論文を発表しました。2010年には刺激されたクリトリスを3D画像で描写し、骨盤領域にある15,000以上の神経終末を示すことに初めて成功しました。
Anatomical relationship between urethra and clitoris
尿道とクリトリスの解剖学的関係(Journal of Urology、1998年6月)
https://www.auajournals.org/doi/10.1016/S0022-5347%2801%2963188-4
ANATOMY OF THE CLITORIS(Journal of Urology、2005年10月)
https://www.auajournals.org/doi/10.1097/01.ju.0000173639.38898.cd

21世紀のクリトリス
まだ理解されていない
ヘレン・オコネルの1990年代後半の研究は、医学界がクリトリスの解剖学的定義を変え始めるきっかけとなりました。20世紀後半~21世紀に入り、フェミニズム運動や性科学の発展により、クリトリスの重要性が再認識されています。
2009年にフランスの科学者オディール・ビュイソン(Odile Buisson)とピエール・フォルデス(Pierre Foldes)によって、クリトリスが初めて3次元超音波で提示されました。

Sonography of the Clitoris(国際性医学会、性医学ジャーナル2008年2月)
https://academic.oup.com/jsm/article-abstract/5/2/413/6862180
Cool photos of the clitoris (from medical sources, not porn)
https://jessica86.medium.com/cool-photos-of-clitorises-360a7e4c1b1c
2019年の研究では、教育科学を専攻する大学院生を対象にアンケート調査が行われ、女性と男性の生殖器官に関する知識レベルが調べられました。その結果、学生の約3分の2が、詳細な画像を提示されたにもかかわらず、クリトリスや陰唇などの女性の外性器の名前を言えなかったことが報告されました。
The sole function of the clitoris is female orgasm. Is that why it’s ignored by medical science? – クリトリスの唯一の機能は女性のオーガズムです。それが医学で無視されている理由でしょうか?
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2020/nov/01/the-sole-function-of-the-clitoris-is-female-orgasm-is-that-why-its-ignored-by-medical-science
Clitoris, the unknown: what do postgraduate students of educational sciences know about reproductive physiology and anatomy? – 知られざるクリトリス:教育科学の大学院生は生殖生理学と解剖学について何を知っているでしょうか?
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00219266.2019.1679658

クリトリス啓発運動
2013年5月、アメリカを拠点とする人道支援団体クリトレイド(Clitoraid)は5月6日から12日まで、初の国際クリトリス啓発週間を発足させました。クリトレイドの広報担当者であるナディーン・ゲイリー氏は、同団体の使命はクリトリスに関する一般の意識を高めることだと述べています。
ロリ・マレパール=トラヴェルシー(Lori Malépart-Traversy)監督による2016年制作の短編アニメーションドキュメンタリー「Le clitoris」は各国の国際短編映画賞を受賞しました。
2019年3月8日にパリで行われた女性の権利集会(パリ国際女性デー)で、クリトリスの重要性を訴えるデモで行われました。
クリトリスの性的快楽と幸福に果たす重要な役割に関する知識は今では広く知られるようになりましたが、今でもクリトリスの理解が進んだとは言えません。多くの女性は依然としてクリトリスについて話すことをタブーと考えており、男性もこの点に関して女性の解剖学について無知なことが多いです。

生殖器官についての理解不足は誤解を生むだけでなく、性感染症や望まない妊娠などのリスクもあることは言うまでもありません。男性も女性も、現在よりもクリトリスについてより深く理解する必要があります。
